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職場のメンタルヘルス

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ストレスチェック

ストレスチェックの義務化

20 世紀末から21 世紀にかけてのIT化、経済のグローバル化の潮流の中で、社会全体の心理的ストレスは増大し、就業人口層の精神保健が大きな問題となってます。WHOの調査(2000 年)においても、疾病による労働力損失とそれに伴う社会的コストの視点(DALY:障害調整生命年・疾病負担)から、精神疾患の影響が極めて大きいことが明らかとなりました。WHOは、21世紀を「こころの世紀」と表現し、メンタルヘルスの危機とその対策の必要性を強調しています。
日本においても労働者のメンタルヘルス不調者の増加は著しく、こころの病気は「置かれた環境次第で誰にでも生じるものであり、生涯を通じれば、5人に1人が精神疾患と診断され得る」(厚生労働白書平成16年度)と考えられるようになりました。そのような状況下、2014年6月、「労働安全衛生法」が改正され、2015年12月からは、毎年1回、すべての労働者に対して実施することが義務付けられました(50人以下の事業所では努力義務)。

ストレスチェックの考え方

職業性ストレス簡易調査票は、NIOSHの職業性ストレスモデルを参考にして作られました。

個人結果の活用

自分に起きているストレス反応に気が付き、それに対処することにより、疾病化しないように留意します。ストレス反応が起きていることに気が付いたときには、何にストレスを感じているのかを立ち止まり、振り返りましょう。ストレスチェックのストレス要因の項目は、自分の抱えているストレスの原因を考えるのに役立ちます。また、ストレスを和らげてくれる緩衝要因を高めることも、ストレス軽減に役立ちます。上司、同僚、家族に、自分の大変さを伝えてみましょう。

高ストレス者には、高ストレスにあることと産業医面談が受けられることを知らされます。ストレスチェックの結果を労働者の不利益としてはいけないことが法令で定められていますので、労働者は安心して産業医面談を受けて、ストレスについての対策をとってください。

集団結果の活用

集団分析は、自社が全国の平均的な企業と比べて、健康リスクがどの位置にあるのかを見ることができます。経営者や職場の長は、その数値を見ながら、自社・自部署をどのような方向に導けばいいのかを考えることができます。体の健診と同様、悪い結果を見るとショックを受けますが、それはあなたの体・職場で起きていることなのです。目をそらさずに、改善のためにできることを積み重ねていきましょう。放置せずに手だてをとると、必ず改善の方向に進みます。内部資源だけで変革が難しいときは、外部資源を活用します。

ストレスチェックを用いた職場環境改善の資料をアップしました。ご活用ください。

ストレスチェックを用いた職場環境改善 前半

ストレスチェックを用いた職場環境改善 後半

新職業性ストレス簡易調査票の勧め

私は、中小企業でストレスチェックを行うとき、新職業性ストレス簡易調査票を用いることをお勧めしています。新職業性ストレス簡易調査票は、職業性ストレス簡易調査票(57項目)よりも質問数が多くて受検者への負担は大きいのですが、職場環境についての情報がたくさん得られるからです。

新職業性ストレス簡易調査票は、職業性ストレス簡易調査票に健康いきいき職場づくりの考え方を取り入れて、「いきいきと働ける」ための資源をどう整えるかを考えられるようにしました。

職業性ストレス簡易調査票と新職業性ストレス簡易調査票の質問項目の一覧をご覧になりたい方は、ここをクリックしてください。

集団結果の活用

ストレスチェックで行った調査の集団分析は、組織の健康度を見るために活用することができます。その活用の仕方にはさまざまな水準があります。

活用例

新職業性ストレス簡易調査票を毎年行い、その結果に基づき、組織全体および部署の課題について話し合いを続けています。当初の結果は経営者にとっても従業員にとっても見ることがきつかったろうと思いますが、自分たちの置かれている状況を客観視するには役立ちました。経営者が考えるべきことと、現場での話し合いを通して、できることを少しずつ積み重ねました。
業務の流れや役割について課題や不満があっても、話し合われないままの職場が多いように思います。話し合いを重ねると、従業員のコミュニケーションが図れるだけでなく、業務の流れや自分の役割についての認識が高まります。その結果、従業員のストレス度は軽減し、職場の雰囲気も和やかになってきました。
残る課題はありますが、何に取り組めばよいのかを経営者も従業員もわかっているので安心です。