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こころの問題とは

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Aさんのケース(30代男性)

Aさんは、課長に昇進しました。Aさんは張り切って部下をまとめようとしましたが、一人わがままな部下がいるために職場の士気が上がりません。
わがままな行動に対しては毅然と注意をしなくてはならないのですが、気の弱いAさんはやさしく諭すことはできても、厳しい態度を示すことができません。
とうとう他の部下までが、Aさんを馬鹿にしたような態度を取り始めます。
Aさんは次第に職場に行くことが億劫になり、職場にいると動悸や吐き気が起きるようになりました。心療内科に受診したところ、適応障害と診断されました。
Aさんの場合は、「わがままな部下」「課長としての多大な責任」という環境のストレスをきっかけとしてこころの病気になりましたが、キャリア発達という視点からは「リーダーになる」という課題が関わっていることがわかります。また、「気の弱さ」はもともとの性格ですが、「父性的な厳しい態度を示せなかった」のは、Aさんが高圧的な父親のもとで怯えながら育ったことが影響しているのかもしれません。私どもが心理療法においてお手伝いをしていくときには、複数の観点から、こころの問題を見ていきます。Aさんならば、以下の三方向から見ていくことになるでしょう。

  1. 職場環境のストレス
  2. 生涯発達・キャリア発達
  3. 子ども時代の生い立ちの影響と性格
原因は何にせよ、あなたのこころが「もう耐えられない」「抱えきれないよ」と音をあげていることは確かですね。
適応障害には薬物治療が有効ですので、まずは病院(精神科・心療内科)を受診してみましょう。そして症状が緩和し、自分に何が起きたかを振り返るゆとりができたなら、今こころの問題があらわれた訳について考えます。じっくりと見つめれば、自分が何にゆきづまっているのかが見えてきます。ゆきづまりを通して、きっと何かを得ることができるでしょう。