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企業のメンタルヘルス

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労働者のストレスの増加と働き方の多様化

IT化・グロバリゼーションによる情報の高速化、不況による経費と人員の削減など、さまざまなストレスが引き金となって、心の病になる労働者が増えています。

メンタルヘルスへの関心は、1998年に自殺者が2万人から3万人へと急上昇したこと、大手広告代理店でうつ病による自殺が起きた事件(電通事件)に対して2000年の最高裁で「安全配慮義務違反」として企業責任が問われたことをきっかけに高まりました。
2000年(平成12年)旧労働省による「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」が出てからは、企業に対してメンタルヘルス対策が求められるようになっています。2014年6月には労働安全衛生法が改正され、2015年12月からストレスチェックが義務化されました。さらに安倍首相は、誰もが活躍できる「一億総活躍社会」の実現を目指して、2016年から働き方改革に取り組み始めています。今後、少子高齢化となる日本にとって、誰もが活躍できる働き方や、安心して生活できる処遇の実現は、経済と社会の活力維持のための死活問題です。企業は、自社のためにも、社会のためにも、従業員のワークライフバランス、ダイバーシティ、健康経営に取り組んでいくくことが求められています。

メンタルヘルス対策の歴史

メンタルヘルス対策は、過労自殺・過労死の増加への対策から始まり、以下のように進んでいます。

年月 内容
1999年9月 心理的負荷による精神障害などに係る業務上外の判断指針について(労災認定の判断指針が作られる)
2000年8月 事業場における労働者の心の健康づくりのための指針(心の健康づくりに関する4つのケアが謳われる)
2004年10月 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き(2009年3月に改訂)
2005年11月 労働安全衛生法改正(長時間労働者への面接指導が義務付けられる)
2006年3月 労働者の心の健康の保持増進のための指針(2001年指針の改訂、個人情報保護法などに対応)
2007年12月 労働契約法制定(安全配慮義務が明文化)
2009年4月 心理的負荷による精神障害などに係る業務上外の判断指針の一部改正について(「職場のいじめ」が負荷の高い出来事に)
2011年12月 心理的負荷による精神障害の認定基準について(指針が基準に格上げ、労働時間の影響をより具体的に。審査の迅速化)
2014年6月 労働安全衛生法の一部を改正する法律が公布(ストレスチェック義務化法案。2015年12月施行)

「こころの耳」参照 http://kokoro.mhlw.go.jp/

ストレスチェックの時代

労働安全衛生法改正により、2015年12月から、50人以上の従業員のいる事業所ではストレスチェックを行うことが義務づけられました。これをきっかけに、中小企業もメンタルヘルス対策に取り組み始めています。

体の健診には長い歴史があり活用の仕方は国民に浸透していますが、心の健診ともいうべきストレスチェックは始まったばかりで、浸透は不十分です。中小企業はメンタルヘルスへの投資に消極的ですが、ストレスチェックは労働者にとっても企業にとってもプラスの効用を持っています。労働者は自分に返ってくる個人結果を見ることで、体の状態だけでなく、ストレスの状態について把握することができます。ストレスは心の病気だけでなく、体の病気にも大きな影響を与えることがわかってきていますから、健康に働き続けていただくためのセルフケアとして活用してもらえたらと思います。また集団分析結果は、組織全体や各部署が、健康に機能しているかどうかの指標として使えます。分析結果に基づいて改善に取り組んでいくことが、組織全体の活力を高めることにつながるでしょう。 一般社団法人名古屋EAPコンサルタント協会(NEAP)は、個人結果を労働者が活用するためのセルフケア研修や、新職業性ストレス簡易調査の集団結果を用いた職場環境改善を行い、組織の健康度を高めるためのお手伝いをしています。