臨床心理士がさまざまな心の問題にお応えします。岐阜市と名古屋市に心理カウンセリングを行う相談室があります

職場のメンタルヘルス

新職業性ストレス簡易調査票の勧め

中小企業でストレスチェックを行うとき、新職業性ストレス簡易調査票(80問、120問)を用いることをお勧めしています。新職業性ストレス簡易調査票は、職業性ストレス簡易調査票(57問)よりも質問数が多くて受検の負担はかかりますが、職場環境の情報がたくさん得られます。

新職業性ストレス簡易調査票は、上記の健康いきいき職場づくりモデルに基づき、「いきいきと働ける」ための資源をどう整えるかを考えます。職業性ストレス簡易調査票(57問)と新職業性ストレス簡易調査票(80問、120問)の質問項目の一覧をご覧になりたい方は、ここをクリックしてください。

復職支援サービス【個人向け】

現在、休職されている方で職場復帰を目指したい方に向けて、おひとりおひとりに合わせた個別支援、復職支援カウンセリングを行っております。

休職は人生における心理的危機といえますが、同時に職業人としての、ひとりの人間として成長するためのきっかけになると当室では考えています。これまでの人生や休職の原因を振り返り、自分自身と向き合うことは、自分らしい働き方や生き方を見出すことにつながります。

復職支援カウンセリング案

復職支援カウンセリングの流れ

以下の流れに沿って、当室では復職支援カウンセリングを行っていきます。

 同じ病気で休職されていても、おひとりおひとりの病態は変わります。疾病の特徴とともに、自分の病気がどのようなものかを「生活記録表」で掴みます。

生活と病状が安定したら、少しずつ生活の負荷を上げていきます。病状の動揺を通して、自分の病気に対する理解を深めていきます。最終的には、就業と同じ負荷まで上げていきます。最終段階では、職場との接触で病状が動揺しないことを確かめます。

また、こころの病気の原因となった要因についても振り返ります。そこでは、内的要因(自分側の要因)・外的要因(職場環境の要因)を検討します。双方についての振り返りを行い、復職後に再発しないよう、内的な要因についての対策を考えます。

復職に際しては、職場に自分の状態をどのように伝えるのか、職場にどのように協力してもらうのか検討します。元の体調に戻るには復職してから1年ほどかかると考えて、焦らないようにしましょう。

参考資料

メンタルヘルス不調者の職場復帰支援マニュアルに関する復職支援に関する以下のツールがダウンロードできます。

・生活記録表

・復職準備チェックシート

復職支援サービス【企業向け】

職場復帰を円滑に進めていくポイントはいくつかあります。産業医中心で支援を進める場合には、産業医の指示に従いましょう。ここでは、嘱託の産業医はいても、産業医の勤務時間が少なく、事業所の担当者中心で復職支援を行わなければない場合を想定して、事業場が行うべきことを記します。

復職支援を行っていく際、個人への支援だけではうまくいきません。

復職を円滑に進めていくためには、休職規定など、企業の組織を整えていくことが重要です。弊社は、一般社団法人名古屋EAPコンサルタント協会(NEAP)と連携して、組織づくりもサポートさせていただきます。

企業向け案内

復職支援サービスのポイント

1 休職者の安心感の提供
休職者及び家族の不安の軽減は、回復に役立ちます。職場の休職ルール/休める期間、休業中の給与(傷病手当金の説明も含む)、休業中の窓口担当者、復職の仕方、そのほか独自の支援などを、休職が決まった時点で本人及び家族に説明しましょう。また、事業場の担当者は休職者の了承を得て主治医と面談し、病状と治療の説明を受けます。その際に、事業場の休職ルールと休職者の状況について伝えます。

本人に渡す資料例:「休業・復職支援のご案内」
窓口担当者の支援例:「メンタルヘルス不調で休業する部下とその家族への対応方法」

2 休職者との関係維持と病状把握
休職者との連絡役を務める窓口担当者は、定期的に休職者との連絡を維持します。前半は「休養」が優先課題ですから、仕事に関する情報は避けましょう。休職者の体調が安定している様子が伺え、本人及び主治医から「復職」の言葉が出るようになってから、復職について話題にします。

3 職場復帰支援
主治医から復職可能の診断書が提出されたら、事業所として行うべきことをしていきます。休職者が就業できる状態かどうか、休職者と情報交流しながら確認していきます。生活リズムが整っているかどうか、判定していきます。

4 職場環境の改善
病状が安定したら、こころの病気となった要因について振り返ります。そこには内的要因(休職者側の要因)・外的要因(職場環境側の要因)双方についての振り返りを行います。職場環境を改善できるところがあれば、整えていきましょう。

5 復職後のサポート
元の体調に戻るには復職してから1年ほどかかると考えて、焦らずに現在の状態を確認し、サポートしていきましょう。

【参考資料】
・「改定 心の健康問題により休職し労働者の職場復帰支援の手引き」 厚労省 中央災害防止協会
・「職場復帰にかかるモデルプログラム」独立行政法人 労働者安全機構 より
・「メンタルヘルス不調者の出社継続率を 91.6% に改善した 復職支援プログラムの効果」 2012年 難波克行 論文はこちら

組織分析を活用した職場環境改善

ストレスチェックをの結果をもとに、丁寧に組織分析を行い、組織を活性化させるためのご支援を考えます。

組織分析および組織改善は、一般社団法人名古屋EAPコンサルタント協会と連携して、勧めさせていただきます。

 

ストレスチェックを用いた職場環境改善の資料をアップしました。ご活用ください。

ストレスチェックを用いた職場環境改善 前半

ストレスチェックを用いた職場環境改善 後半

活用例

集団分析の結果を見ますと、「なるほど、やっぱりそうだったか」という部分もあれば、「こんな結果と思わなかった」という意外な部分に出会うことがあります。嬉しい結果もあれば、残念な結果と出会うこともありましょう。プラスもマイナスも含め、組織の強みと弱みがわかることは、その組織を健全に成長させていきます。

 

どんな些細なことでも良いので、それぞれの立場から取り組み続けます。すぐに良い結果になることはなくても、年を追うごとに変化が見えますので、何に取り組めばよいのかが分かって経営者も従業員も安心です。

下記は結果サンプルです。42の尺度について調べます。偏差値50が全国平均で、自分の会社や部署がどの位置に属しているのか、プラスは青、マイナスは赤でわかりやすくグラフ化されます。経年変化は、折れ線グラフで表します。

その他、弊社独自の分析として、
・心理的ストレス反応とワークエンゲイジメント(個人のいきいき)とのマトリクス化
・重回帰分析による心理的ストレス反応やワークエンゲイジメントと関連する尺度の抽出
・回答比率のグラフ化
を行います。

相談窓口の設置

企業様と直接契約を行い、事業場内相談窓口もしくは、事業場外相談窓口として弊社をご利用いただきます。

事業場内相談窓口では、弊社のスタッフが直接事業場まで出向き、事業場内で相談に対応させていただきます。
事業場外相談窓口では、こころのげんき株式会社内にある「ながら心理相談室」にお越しいただき、お困りの内容についてお話をお伺いします。

相談には、
◎自主相談・・本人や従業員の家族が自分の悩みを相談していただくもの
◎紹介相談
・・会社で心配な従業員様に利用していただくもの
◎マネージメントコンサルテーション・・・上司が部下の相談をしていただくもの
があります。

マネージメントコンサルテーションでは、「精神的な不調を期待している社員がいる。部下に対して、どのように対応したらいいだろうか?」「本人に自覚は薄いが、社内で困った社員がいる。どう対応したらいいだろうか」というご相談に応じさせていただきます。「困っている社員」にカウンセリングを利用していただくための手続きについては、こちらをご覧ください。

 

 

心配な部下には・・

メンタルヘルス対策の4つのケアに「ラインケア」が明示され、管理監督者は業務の管理だけでなく、部下の安全衛生にも目を配る責任が課されています。管理監督者は、日ごろから、職場の雰囲気や部下の様子を観察することが大切です。日ごろの観察があれば、変化に気が付くことができます。


変化は本人しかわからないこともありますが、行動からわかることもあります。左の図を参考にして、部下のいつもと違う様子に気が付ける感性を高めましょう。

参考文献:『ココロブルーと脳ブルー』  小山文彦著

 

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