女性臨床心理士が主宰する岐阜市のカウンセリングルームです。職場ストレス・子育て・不登校・発達障害など、心の問題や悩みにお応えします。

コラム

輝いて生きる~次の世代に伝えたい本当に大切なこと~

2011-10-02

感動した出来事

2011年10月2日、山県市高富中央公民館で「東北復興祈念フォーラム」に参加してきました。基調講演は炭師である原伸介氏による「輝いて生きる」です。ここでは、魂に従って生きるということについて考えてみたいと思います。(H記)


炭師 原伸介さんの生き方

原さんは1972年横浜生まれ。子ども時代から山を愛し、仙人になりたいという思いを貫き、大学卒業してから炭焼き一筋に生きてこられた方です。仙人になることも炭師になることも、まわりからは「無理だ」「無謀だ」と笑われ反対されながらも、最終的には炭師として生活できるようになったことを「あきらめなければ、夢はかなう」として、全国講演して回り、若者に伝えています。

東日本震災支援と福島原発行動隊(別名シニア決死隊)

原さんは震災のニュースを見て、いてもたってもいられなくなりますが、何をしていいのかわからずに呆然としていたとき、「被災地で炭が必要とされている」ことを知ります。仲間と共に集めた七輪と炭を震災9日目に届けて以来、自分のことのように被災地に関わられ続けました。そこで福島原発行動隊(別名シニア決死隊)の存在をしり、自らの命を顧みずに日本の危機に立ち向かおうとする姿に感銘。すぐに発起人の山田恭暉に会いに行かれ、行動隊の広報隊長として、応援活動を展開されているとのことでした。

コミュニティ・カフェ わおん の存在

一方、今回の主催は、NPOコミュニティサポートスクエアです。代表の杉浦陽之助さんは、岐阜県若者サポートステーションでの経験を経て、同NPOを立ち上げられました。活動拠点であるコミュニティ・カフェ「わおん」では、若年の就労支援を目的として、さまざまな活動を行っています。当室のクライアントさんも、わおんを利用されていますが、仲間と知り合い、仕事につながる経験ができるという点で、本カフェは地域にとってなくてはならない存在です。その杉浦さんも東日本震災支援を行っておられ、今回の原さんの講演会は、その縁で実現したそうです。

魂に従って生きる

原さんの講演では、何度も「魂」という言葉が出てきました。「魂が揺さぶられる」「物に宿る魂」「魂の声」。。。大学を卒業し炭師として生きることには大きな苦労があったようですが、自分の選んだ人生を「生き抜く」そのものだったのだと感じました。今回の講演に関わっている杉浦さん、原さん、シニア決死隊の山田さん、どの人も、自分の人生を生きていると強く感じさせる方ばかりでした。原さんいわく、「自分が仙人になると言い出したときに、無理だとしか言われなかった。しかし、どの人も仙人になる努力をしたことはないのに、どうして無理だとわかるのだろう」「夢はあきらめなければ、必ず叶う。それを若い人たちに伝えたい」。人は生きるときに、それが現実的に実現するかどうかを頭で考えます。「経済」や「成功」や「適応」を優先しがちです。しかし、そればかりしていると、心が感じていること、魂が求めていることを感じなくなってしまいます。今回の講演は、私にとって「人生を生きる」ことを考えさせるものでした。

コミュニティ・カフェ わおん ブログ http://yonosuke1212.blog137.fc2.com/

原伸介 著書
『生き方は山が教えてくれました』 かんき出版
『山の神様に喚ばれて』 フーガブックス
『笑顔は無限力』 文屋文庫